行動変容ステージモデル
保健が「お勉強」あるいは「とりあえず大切だと言わなくてはならないもの」になっていて、健康に関する自己決定能力を高めるという本質的な部分が弱いことが大きいのではないか。
どこかで見て、メモしておいた文です。何かの本かな?久しぶりに、真面目な内容を書きます。
例えば、長期休みに出している保健の宿題(歯みがきカレンダーや生活習慣を整えよう!みたいなプリント)。
ずっと違和感がありながら出していたのですが、
おそらく違和感の原因は、押しつけの部分が大きくなってしまっていることなのです。
保健が「とりあえず大切だと言わなくてはならないもの」になっていて、健康に関する自己決定能力を高めるという本質的な部分が弱くなってしまっているのかなぁ、と。
では、自己決定能力を高めるためのアプローチとして、実際に健康行動へ移るためのアプローチとしてどんなことができるのか... ヒントとなる考え方を調べてみました。
◆行動変容ステージモデル
行動変容ステージモデルでは、人が行動を変える場合は「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えます。行動変容のステージをひとつでも先に進むには、その人が今どのステージにいるかを把握し、それぞれのステージに合わせた働きかけが必要になります。
引用 厚生労働省Webサイト e-ヘルスネットより
人の行動が変わるためには、段階があるということですね。これを具体的に説明した理論です。
図にすると、こんな感じです↓
◯ 応用について○
この理論を使って、保健の宿題も工夫してできないかな。
例えば、
<無関心期>
行動を変えないとまずいよ!!と思う機会を作る。ミニ指導や振り返りシートを使うか?時間を作って、自らの生活を振り返らせる。
<関心期>
さらに、行動を変えないとまずいよ!と思う機会を作る。必要な児童に個別指導。
<準備期>
家庭も巻き込んで、行動を変えないとまずいよ!と発信。家庭へ個別指導の内容をお便りなどで伝える。
<実行期>
家庭との協力が必要。引き続き家庭に様子を聞きながら、行なっていく。
<維持期>
習慣化するようサポート。個別ではなく、集団にもアプローチをして、集団で誘惑されない雰囲気を作る。
今、思いつく感じで書いてしまいましたが、こんな感じですかね..
その他、ヘルスビリーフモデルという理論もあります。以前、ブログで上げました。
こちらも良かったら見てください。
◆ヘルスビリーフモデル
健康行動の促進要因として「脅威の認識」と「メリットとデメリットのバランス」を挙げる健康行動理論のひとつ。
健康によい行動を行う可能性を高める主な要因として以下の2つを挙げています。
- (1)脅威の認識
- このままでは「まずい」という危機感を感じることで、そのような危機感を感じるには以下の「可能性」と「重大さ」の両方を認識する必要があります。
可能性の認識:このままだと、自分が病気や合併症になる可能性が高いと感じること
重大さの認識:自分が病気や合併症になったとしたら、その結果が重大であると感じること(健康面・経済面・社会面などで)- (2)メリットとデメリットのバランス
- 健康によい行動を行うことのメリットと、その行動を行うことのデメリット(コストや妨げ)をはかりにかけた時に、メリットの方が自分にとって大きいと感じること
引用 厚生労働省Webサイト e-ヘルスネットより
イラストにすると、こんな感じです。
人が行動するか否かは、メリットとデメリットのバランスが関係しているという理論ですね。
mako-makocya.hatenablog.com
理論を用いることで、自信無く行っている保健教育でも、少しは自信を持ってできるようになるかもしれませんね。