養護教諭 ❀ もこブログ  

小学校養護教諭のブログです。思ったことを週一くらいで更新していきます。

多岐にわたる仕事... (・ω・`)

仕事量、多くない?養護教諭の仕事(というか、学校の仕事)多くない?と疑問を持ち、養護教諭の職務範囲を調べてみました。

文科省より

文科省のWebサイトから養護教諭の職務を探してみました

保健体育審議会答申(昭和47年)(抄)

 養護教諭は、専門的立場からすべての児童・生徒の保健及び環境衛生の実態を的確に把握し、疾病や情緒障害、体力、栄養に関する問題等、心身の健康に問題を持つ児童生徒の指導に当たり、また、健康な児童生徒についても健康の増進に関する指導のみならず、一般教員の行う日常の教育活動にも積極的に協力する役割を持つものである。

 

保健体育審議会答申(平成9年)(抄)
養護教諭の新たな役割)

 (前略)養護教諭は、児童生徒の身体的不調の背景に、いじめなどの心の健康問題がかかわっていること等のサインにいち早く気付くことのできる立場にあり、養護教諭のヘルスカウンセリング(健康相談活動)が一層重要な役割を持ってきている。養護教諭の行うヘルスカウンセリングは、養護教諭の職務の特質や保健室の機能を十分生かし、児童生徒の様々な訴えに対して、(中略)心や体の両面への対応を行う健康相談活動である。(中略)養護教諭については、現代的課題など近年の問題状況の変化に伴い、健康診断、保健指導、救急処置などの従来の職務に加えて、専門性と保健室の機能を最大限に生かして、心の健康問題にも対応した健康の保持増進を実践できる資質の向上を図る必要がある。

平成9年、養護教諭の新たな役割が明記されました。

それは、「健康相談活動」。それまでも現場では実施していたのだけれど、ここで法律に明記された、イメージでしょうか。

そして、現在における養護教諭の職務をまとめると、こんな感じだそうです(下の表)。 

養護教諭の職務内容

 学校保健情報の把握に関すること
(1) 体格、体力、疾病、栄養状態の実態
(2) 不安や悩みなどの心の健康の実態 等
保健指導・保健学習に関すること
〔個人・集団対象〕
(1) 心身の健康に問題を有する児童生徒の個別指導
(2) 健康生活の実践に関して問題を有する児童生徒の個別指導
〔集団対象〕
(1) 学級活動やホームルーム活動での保健指導
(2) 学校行事等での保健指導
〔保健学習〕
  保健学習への参加・協力
救急処置及び救急体制に関すること
健康相談活動に関すること
健康診断・健康相談に関すること
定期・臨時の健康診断の立案、準備、指導、評価 等
学校環境衛生に関すること
(1) 学校薬剤師が行う検査の準備、実施、事後措置に対する協力
(2) 教職員による日常の学校環境衛生活動への協力・助言 等
学校保健に関する各種計画・活動及びそれらの運営への参画等に関すること
(1) 一般教員の行う保健活動への協力
(2) 学校保健委員会等の企画運営への参画 等
伝染病の予防に関すること
保健室の運営に関すること

 

おおお... おお...  

やること多くないか??こんなに仕事が多岐にあると(一人だし,, )それぞれの仕事を十分に行えないのではないかな..😣

 

なぜ仕事が多岐にわたったのかを、この答申から探りました。

 

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 仕事が多様化した背景

まず、押さえるべき点は、児童生徒の健康課題は、時代によって変わってきているということ。

 

戦前 結核やトラコーマなどの感染症が中心。

現在 むし歯や視力低下などの慢性疾患に。

 

そのほか、「都市化、少子高齢化、情報化、国際化等による社会環境や生活様式の急激な変化が、児童生徒の心身の健康に大きな影響を与えている」ことも書かれていました😣

 

例えば、いじめや不登校などの心の健康問題、 性に関する問題、喫煙、飲酒、薬物乱用、生活習慣病の兆候、アレルギー疾患、感染症、災害 や事件事故発生時における心のケアなどの問題があるかな👀

 

このような状況の中、複雑・多様化した現代的な健康課題の解決に向けて養護教諭への期待が高まったことにより、役割が拡大していった、とのこと。

 

昔も、いじめや性に関する問題、飲酒、生活習慣病など様々な課題があったけど、それを学校が取り組むべき課題としては捉えてなかったのかなぁ、なんて考えてしまいます。

 

養護教諭が様々な役割を担うようになった背景は、養護教諭の職務の特質上のためであるとも言われています。

 養護教諭の職務の特質

職務の特質上、養護教諭が保健の中核的な役割にいることから、期待される役割は広がったようです。養護教諭の特性として、以下が挙がっています。

・全校の児童生徒を対象とし、入学時より経年的に成長・発達を把握することができる

・活動の中心となる保健室はいつでも誰でも利用でき、安心して話すことのできる場所である。

・職務の多くは、学級担任をはじめとする教職員学校医等、保護者等との連携の下に遂行される。

・子どもは心の不調が身体症状となって出現しやすいため、早期に発見しやすい

・保健室頻回来室者、不登校傾向者、非行や性に関する問題など様々な問題を抱える児童生徒と関わることが多い

 

学校として、こういう対応した方がいいよね、こういう役割があった方がいいよね、やりやすいのって、養護教諭だよね、って感じで、どんどん仕事が増えてきてしまった、というところでしょうか.. 💭

  まとめ

養護教諭に求められる仕事や役割が法律上で明確化されている。昭和から、平成へと職務の領域はどんどん広がっている。その背景として、養護教諭が比較的、そういった役割を担いやすい職務上の特質や保健室の機能があるためである。一方で、役割が多様化することで 仕事を十分に行なえないのではないか、ということも危惧されている。

 

でも、じゃあどうしたらいいのかな??

職務を削る?削れるのか? 

 

日本は、仏教の教えが基としてあるため、アメリカやヨーロッパよりも学校が取り組む範囲が広いという話を聞いたことがあります。海外のように、もう少し学校が担うものを減らすのがいいのではないか??海外の教育事情も気になるところ.. 

考える日々です..